トラリピと、「nzd/usd」
トラリピでNZドル/USドルを運用
トラリピでFXの運用をする時は一般的に、米ドル/円や豪ドル/円、カナダドル/円、メキシコペソ/円など、日本円を絡めた売買をしています。ただ、トラリピは円での運用だけではなく、外国通貨同士のぺでも利益を狙えます。その代表的な通貨ペアが「NZドル/USドル」です。
トラリピでNZドル/USドルの運用が適している理由
NZドル/USドルがトラリピの運用に適している理由には以下が挙げられます。
1.レンジ相場
トラリピはリピート系の自動売買ツールであるため、基本的に為替の値動きが一定の価格の中で上下動するレンジ相場という環境が前提になっています。従って、NZドル/USドルがレンジ相場を形成していることが必要です。
NZドル/USドルのチャートを見れば、レンジ相場かどうかの確認ができます。2009年からの10年間のチャートでは、最安値の0.6ドルから最高値の0.88ドルの間で値動きが上下動を繰返しています。さらに、ニュージーランド中央銀行が2019年〜2020年まで金利を据え置くことを表明したことで、2015年以降は0.6ドルから0.75ドルと、より狭い値幅で為替が動いています。
チャートはNZドル/USドルがレンジ相場になっていることを表しています。
2.狭いレンジ
トラリピはトラップ注文を何本も仕掛けることでより多くの利益を狙います。当然、トラップ注文の本数が多くなれば、それだけ資金を用意しなければなりません。例えば、トラップ幅を1円にした場合にレンジが5円であれば、5本のポジションを持ちます。レンジが10円に広がると、10本のポジションになります。つまり、2倍の資金が必要になるということです。レンジが2倍になっても同じ資金で運用しようとすると、トラップ幅を2円に広げなければならず、それだけ利益を取れる機会が減ることになります。
このように、トラリピで運用する場合は取引するレンジが狭ければ狭いほど少ない資金で運用でき、それでけ資金効率が高くなります。前記したように、NZドル/USドルは0.28ドル(0.88-0.60)という狭いレンジになっており、特に2015年からは0.15ドル(0.75-0.60)になっています。
ちなみに、ユーロ/USドルのレンジは0.58ドル(最高値1.61、最安値1.03)、豪ドル/USドルのレンジは0.45ドル(最高値1.11、最安値0.66)です。NZドル/USドルと比較すると、かなりレンジが広くなっています。このことからも、NZドル/USドルが資金面でも有効な通貨ペアになります。
3.高いボラティリティ(変動率)
ボラティリティというのは、一定期間における通貨ペアの価格の値動きの大きさ(変動)を表した数値です。ボラティリティが高い通貨ペアほど為替レートが大きく変動し、ボラティリティの低い通貨ペアは為替レートの変動がほとんどありません。
FX取引でより多くの利益を上げようとする場合はボラティリティの高さも重要なポイントになります。NZドル/USドルはユーロ/USドルや豪ドル/USドルよりもボラティリティの数値が高くなっています。なお、NZドル/USドルはドルストレート(USドルを軸に取引される通貨ペア)の中では、ボラティリティの高い通貨ペアになっています。
4.小さいスプレッド
トラリピにおける唯一の手数料がスプレッドです。当然、スプレッド(通貨の買値と売値の差額)は小さい方が稼いだ利益を減らさずに済みます。
トラリピのスプレッド(1,000通貨当たり、変動制)は以下になっています。
- NZドル/USドル:3 pips(銭)
- ユーロ/USドル:4 pips
- 豪ドル/USドル:3 pips
- 豪ドル/円:5 pips
NZドル/USドルは豪ドル/円より2銭安くなっています。たかが2銭ですが、チリが積もれば山となるため、スプレッドは安いに越したことはありません。
5.安い為替価格
為替価格の安い通貨ペアは必要資金が少なくて済み、ロスカットの危険性も減少します。そのためには、為替価格の安い通貨ペアを選択することも重要なポイントになります。ドルストレートの通貨ペアの為替価格は以下になっています。
- NZドル/USドル:0.63USドル
- ユーロ/USドル:1.09USドル
- 豪ドル/USドル:0.68USドル
一番安い通貨ペアはNZドル/USドルです。豪ドル/USドルとの差は0.05ドルですが、FX取引は通貨数が多く、また取引を頻繁に行うため、この差はバカになりません。
トラリピでNZドル/USドルを運用する時の設定
トラリピでNZドル/USドル運用する場合は値動きの上下動を利用するハーフ&ハーフを採用します。また、ハーフ&ハーフなら必要証拠金を半分にできるため、資金効率を2倍にできます。
NZドル/USドルの運用における設定は以下のようにします。
- 買いレンジ:0.6~0.7ドル
- 売りレンジ:0.7~0.8ドル
- トラップ値幅:0.001ドル
- 利益幅:4ドル
- 通貨数:0.1万通貨(1,000通貨)
上記に設定した場合の運用資金は30~50万円で大丈夫です。よほどの暴落が起きない限り、50万円以上必要になることは考えられません。
- 中心値
中心値に関しては、過去10年のチャートを確認すると最安値は0.6ドルで、最高値は0.88ドルです。なお、直近5年の為替が下がり傾向のため、中心値を0.7ドルに設定し、0.7~0.8ドルを売り、0.6~0.7ドルを買いのレンジにします。資金的に余裕があれば、過去15年のチャートにおける最安値と最高値をカバーできる0.5~0.7ドルを買いレンジ、0.7ドル~0.9ドルを売りレンジすると最適です。 - トラップ値幅
若干狭い値幅になっていますが、レンジ幅が0.2ドルなので、大きな負担にはなりません。資金を抑えたい場合は、トラップ値幅を0.002ドルにすれば1/2で済みますし、ロスカットの値も下がります。ちなみに、トラップ値幅はリスクに直結します。トラップ値幅を広げるとポジション数が少なくなることで、リスクは低くなります(その分狙える利益が減少)。逆に、トラップ値幅を狭くするとポジション数が多くなるので、比例してリスクは高くなります。このバランスは資金量とリスクの許容度によって自分で判断するしかありません。
- 利益幅
利益幅を設定する上で参考になるのが「ATR」という指標です。ATRとは「Average True Range」の略で、相場におけるボラティリティ(変動率)を表します。ATRはMT4にデフォルトで入っているテクニカル指標の一つであり、サブウィンドウにATRをチャートに表示させることができます。ATRの値が高くなる(上に位置)ほど、トレンドが変わる可能性が高まり、ATRの値が低くなる(下に位置)ほど、トレンドの動きが弱くなると見込まれます。相場の勢い(ボラティリティ)が一目で確認できます。
- スワップポイント
買いと売りのポジションを同時に持つため、スワップポイントの±が相殺されます。ただ、買いポジションのマイナスポイントの方が売りポジションのプラスポイントより大きい傾向にあります。 - 決済トレール
2014年の6月には高値で0.88ドル、2009年の3月には0.49ドルの安値を付けているため、為替の激変を考慮すると、決済トレールを設定しておくことが有効です。ただ、買いのレンジの場合は最高値をほぼカバーできているので、売りのポジションだけ決済トレールを設定するだけでも構いません。
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