トラリピの資金について
昨今、お金は貯めるだけでなく資産運用をしようという流れが非常に強くなっています。
資産運用と一言で表しても様々な方法があり、必要な資金にも差が出てきます。
今回は比較的少額からはじめられ、一度はじめればほったらかしでも構わないトラリピについて、一体いくらの資金を用意すればいいのか解説していきます。
(資金検討の前に)トラリピの仕組み
トラリピに必要な資金を考えるにあたって、まずはトラリピの仕組みを理解する必要があります。
トラリピとはマネースクエアが特許をとったFXの注文方法です。
実際の中身としては、複数のイフダン注文を何度も繰り返す事で利益を出していく注文方法になります。
為替相場は常に変動していくものですが、基本的に一定の幅で上下を繰り返すという性質を持っています。
為替相場が短期間にあまりにも大きく動くような状況では、経済に大きな影響が出てしまいますから、基本的には同じような動きを繰り返すことになるわけです。
実際に様々な通貨のレートを確認してみると、ある程度の範囲で上下している事が確認できるかと思います。
その繰り返し上下する相場で、イフダン注文、つまり買いの注文と同時に買えた場合の売り注文も出すことで利益を上げていきます。
イフダン注文を複数入れておくと、下がっている時には含み損がどんどん発生する状態になりますが、レンジ相場であれば当然上昇しますから、そこで次々と利益確定していくわけです。
イフダン注文の間隔を短く設定すれば小さな値動きでも機能しますが、一方で間隔を短くするためには必要な資金が多くなります。
かと言って資金を減らし間隔を広くすると機能しない場面が出てきます。
また、想定する値動きの範囲を超えて動かれてしまった場合、資金が少ないとロスカットによりトラリピが機能しなくなる可能性もあります。
トラリピに限りませんが、トレードにおいて元金が少ない事はそれだけで不利になりやすいというのは間違いありません。
では実際にどの程度の資金があれば、トラリピを始めることができるのでしょうか。
トラリピは最低資金いくらから始められるの?
さて、トラリピとはどういった仕組みで利益を上げているのか解説してきました。
つまり買い注文を同時に複数入れても問題無いだけの資金があればトラリピで運用していけるわけです。
では、その資金は一体いくら必要なのか考えていきます。
まず必要な資金を計算するためには通貨とレンジ幅を決定しなければいけません。
ここでは分かりやすくドル円のペアで想定してみます。
実際にトラリピをするにあたってドル円だけにこだわる必要はありませんが、安定した動きの通貨に絞った方がリスクが少なくなります。
さて、ドル円に決めた後はレンジ幅です。
基本的には値動きを見て、その最大と最小をカバーできるように設定していけば問題ありません。
ここで重要なのは、過去何年分のデータをカバーするのかという点です。
当然ながら対象とする期間が長いほど値段の幅が広くなり、広い範囲をカバーしていれば安全に運用できるわけです。
しかし、レンジ幅を広く取るという事は、それだけ必要な資金も増えるという事を意味します。
まず初心者のうちは少額から運用する事になりますから、レンジ幅を必要以上に広く取ることは得策ではないでしょう。
ドル円であれば2014年~2019年の5年間で見るとおよそ100円~125円程度の25円幅で動いている事が分かります。
もっと遡ると1ドル80円なんて数字も出てきますが、いきなりそこまでの範囲をカバーする必要性は低いでしょう。
どこまで遡るかは通貨ペアにもよりますが、最低でも3~5年分程度は見ておいた方が良いです。
資金に余裕が出てきたら更に期間を伸ばして安全性を高めていきましょう。
レンジ幅が決まったら、次にトラップ(複数のイフダンの間隔)を決めれば必要な資金が見えてきます。
仕掛ける間隔は、自分の用意できる資金などと相談して変更していけば良いのですが、今回は分かりやすく1円ごとに設定してみます。
レンジ幅が25円なので1円ごとに設定する場合は、26本の注文になります。
これはなかなか多そうなので、もう少しだけ本数を削ってみることにします。
本数が多ければそれだけ必要な資金が膨らんでしまうからです。
実はトラリピのリスクというのは2種類あり、決めたレンジを上に抜けた場合はトラリピが機能せず利益を得る事ができないというリスクとレンジを下に抜けロスカットによる損失が出てしまうというリスクが存在しています。
この上に抜けた場合は利益が出ないだけで、損をする事はないわけですから、そちらを削って100円~120円のレンジとして20円の幅で1円ずつの21本を仕込む事としても損をするかという点で考えると問題がないわけです。
リスクを抑えつつ必要な資金も小さくできるちょっとしたテクニックと言えます。
もちろん資金に余裕があれば、本数を削らない方が利益を出すチャンスが多いのは間違いありません。
さて、仕込む本数が21本とすると、トラピリは最低1,000通貨での取引なので、1ドル110円として計算すると231万円ほどあれば良い事になります。
さらにFXではレバレッジをかける事ができるわけですから、3倍であれば77万円ですし、10倍であれば23.1万円で運用できる計算になります。
もちろんレバレッジの倍率が高ければ高いほどリスクも大きくなりますから、自分の資産状況を見て決めていくべきです。
ここまでの計算でトラリピで運用していく場合、最低でも30万円弱の資産が必要になって来ることは理解していただけたかと思います。
無理をすれば10万円からでも可能ではありますが、リスクが大きいためおすすめはできません。
また、100~300万程の元金があれば、かなり安定した運用ができると考えられます。
トラリピは長期的に運用する前提のトレードですから、レバレッジはかなり抑えておいた方が安心できます。
そういった意味では3倍程度に抑えておきたいところで、理想的な形を考えるのであれば100万円程度はあった方が良いでしょう。
ここまで計算してきたのは、あくまでもドル円で20円幅に1円ごとに仕込んだ場合に必要な資金についてです。
他の通貨ペアであったり、仕込む値幅などにも左右されますので、最終的には自分のケースに当てはめて計算していく必要が出てきます。
あとから資金追加もあり
トラリピの運用に必要な資金は見えてきましたが、安全に運用するために300万円が必要だとしても急に用意する事は難しいでしょう。
そこで、はじめは最低限の30万円程度から運用して余裕があれば資金を後から投入するという方法もあります。
運用できる資金が増えれば、レバレッジ倍率を下げてリスクを減らしたり、レンジの幅を広く取ってリスクを減らすといった事もできます。
トラップの幅を狭くして利益を出す機会を増やすこともできれば、一度のトレードで取引する額を引き上げればそれだけ利益も大きくなります。
資金の追加によって様々な恩恵があるわけですから、徐々に安全で確実に利益を出せるような形に整えて行くのは非常に有効な運用方法です。
特にトラリピは自動でのトレードですから、専業のトレーダーのようにチャートとにらめっこを続ける必要がありません。
副業として運用して、本業の稼ぎから少しずつ資金を足していくという流れは非常に良いサイクルと言えます。
また、長くトラリピを続ける事ができれば資産はドンドン増えていきます。
トラリピで得た利益によってトラリピの効率を上げることもできるわけですから、安定してくれば不労所得として非常に優秀です。
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