トラリピの証拠金について
トラリピの運用で必要な証拠金
FX取引というのは、簡単に言うと2国間の通貨の売買であり、為替が安い時に通貨を購入し、高くなったら売却してその差益を狙うことを目的としています。トラリピはその取引を自動的に繰返しています。
当然、トラリピで取引をするには通貨を購入するための資金が必要であり、それを「証拠金」と言います。多量の通貨を購入する場合は高額な資金が必要になりますが、それだけではなく、保有したポジション(通貨の持ち分)に含み損が生じれば、その金額分も証拠金として納めなくてはなりません。
トラリピに納める証拠金をいくら入金すれば良いのかは、運用したいトラップ(ポジションの注文)の「平均価格」、トラップの「本数」、ポジションの「通貨量」から計算できます。
- 平均価格
トラリピはトラップ本数に関わらず、常に同じ間隔のトラップ幅で注文を出します。従って、トラップ本数の中間のポジションが平均価格になります。 - 本数
トラリピでは資金の範囲内でいくらでもポジションを持つことができます。当然、ポジションの本数に比例して資金が必要になります。 - 通貨量
ポジション同様、通貨量は1,000通貨単位で自由に設定できます。仮に、1,000通貨にした場合は、1円値上がるごとに1,000円の利益が出ます。
トラリピの運用試算表から証拠金の算出
証拠金を算出するには、トラリピから提供されている「トラリピ運用試算表」を利用すると便利です。以下の項目を入力します。
- 通貨ペアは?
ドロップダウンメニューに表示される米ドル/円や豪ドル/円など、12種類の通貨ペアの中から運用したい通貨ペアを選択します。 - 運用予定額は?
運用に使いたい凡その金額を入力します。例えば、30万円で運用を始めたい場合は、300,000(円)と入力します - 仕掛けるレンジ幅は
チャートのデータを参考に、トラップを仕掛ける最適な値幅を決めます。100円~110円の間でポジションを持ちたい場合は、100円と110円を入力します。 - レンジ内に仕掛ける本数は?
50銭ごとにポジションを持ちたい場合は21本、1円間隔でポジションを持ちたい場合は11本になります。当然、間隔を狭くするほど、ポジション数は多くなります。 - 1本あたり何通貨?
1ポジションの希望通貨数を入力します。表示単位は万通貨になっていますが、1,000通貨から購入できます(1,000通貨の場合は0.1と入力)。 - 1回のリピートで狙う利益は?
為替がいくらになったら決済するかを設定します。仮に、通貨数を1,000通貨にした場合、50銭ごとに決済したい場合は500(円)と入力します(1,000通貨×0.5円)。その場合は、100円0銭のポジションは100円50銭で決済され、105円50銭のポジションは106円になると決済されます。1ポジションの利益幅を1,000円にすると、為替が1円上がるごとにポジションが決済されます(1,000円÷1,000通貨)。
- ストップロスの設定は?
ストップロス(損切り)の必要が無いと思えば何もする必要が無く、設定する場合は「設定する」にチェックを入れ、金額を入力します。なお、トラリピは含み損を抱えながら利益を狙うシステムであることから、基本的には損切りをしない方が有効です。
トラリピの運用試算表で確認できる証拠金と維持率の関係
以上を入力すると、以下の10点の項目の金額が表示されます。
- ポジションの平均価格
購入した全ポジションの平均価格が表示されます。レンジ幅を100円~110円に設定した場合は105円になります。 - ポジションの合計
全ポジションの通貨数が表示されます。1,000通貨で21ポジションであれば2.1万通貨、11ポジションの場合は1.1万通貨です。 - トラップ値幅
1,000円の利益幅なら1円(1,000円÷1,000通貨)、500円なら50銭(500円÷1,000通貨)がトラップ幅になります。 - 必要証拠金
全ポジションを購入した場合の購入代金になります。なお、トラリピでは最大25倍のレバレッジ(資金に対する倍率)が掛けられるため、実際の購入資金の25分の1(4%)で済みます。従って、例えば平均価格が105円で通貨数が2万1千通貨の場合、105円×21,000通貨×4%=88,200円が必要証拠金になります。
- すべて成立時の評価損
トラリピは基本的に為替が安くなったら購入し、為替が戻った時に売却して利益を取ります。従って、例えば100円~110円の値幅で、トラップ幅を50銭に設定した場合、為替が110円0銭の時に1本目のポジションを購入します。そして、為替が109円50銭に下がったら2本目のポジションを持ち、さらに109円0銭に下がったら3本目のポジションを持つというように、順々に購入を進めていきます。つまり、ポジションを持つということは含み損を抱えるということです。従って、110円0銭から100円0銭のポジションまで全てのポジションを持った場合は以下のような含み損が生じています。
・110円0銭:(110円0銭-100円0銭)×1,000通貨=1万円
・109円50銭:(109円50銭-100円0銭)×1,000通貨=9,500円
・109円0銭:(109円0銭-100円0銭)×1,000通貨=9,000円
この含み損を100円50銭のポジションまで計算していくと、合計で10万5千円の含み損になります。 - 必要資金の合計
トラリピの運用で必要となる資金は、4)の必要証拠金と5)のすべて成立時の評価損を足した金額です。上記の例の場合は、88,200円と105,000円を足した193,200円が最終的に必要な資金となります。 - すべて成立時の維持率
トラリピでは資金の運用状況と口座にある資金のバランスを「維持率」という数値で示されています。維持率は以下の数式で表されます。
・維持率=時価残高÷証拠金必要額×100時価残高というのは、(口座への入金額+すべて成立時の評価損)÷必要証拠金の数式で算出できます。従って、上記例での維持率は以下になります。
(300,000円-105,000円)÷88,200円=221%トラリピでは維持率が100%を下回ると強制ロスカットとなり、全てのポジションが決済され、資金が消滅します。損失の確定する強制ロスカットを避けるためには、以下の2つの方法を採るしかありません。
①口座内への入金額を増やす。
②必要証拠金額を減らす。②の場合は、仕掛けるトラップ本数を減らすか、ポジション1本あたりの通貨数を減らせば必要証拠金額が減少します。ただ、トラップ本数や通貨数の減少は利益の低下にも繋がるため、なるべく入金額に余裕を持たせた方が効果的です。一般的に、維持率を300%以上にしておくと安心して取引ができます。
- すべて成立時の実質レバレッジ
すべてのポジションが成立した際に、自分の資金に対して何倍のお金を運用することになるかを表しています。この値が5倍程度に収めることが理想です。 - ストップロス損失額
ストップロスを設定した場合に、損失額が表示されます。 - ロスカット
ロスカットになる価格が表示されています。この価格が仕掛けるレンジの下値に近いと強制ロスカットされる可能性が高くなります。100円~110円でレンジ幅を設定した時に、ロスカットの価格が98円や99円だと、ちょっと想定外の値動きをしただけでロスカットされてしまいます。仕掛けるレンジよりロスカットの価格が離れるような設定で運用するのが得策です。
このようにトラリピ運用試算表を利用すると、自分で計算しなくても自動的に必要資金を算出してくれます。
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