トラリピの「豪ドル/円」のバックテストについて
トラリピで豪ドル/円を運用する場合の運用試算表とバックテスト
リピート系のFX自動売買ツールである「トラリピ」を運用する場合、まず始めに気になるのがロスカットです。自分が設定した売買方法で運用すると、為替がいくらになった時にロスカットされるのかが不安になります。
その点では、トラリピには「運用試算表」というツールがあり、ロスカットされる為替価格が即時に分かります。確認する方法は簡単で、運用試算表に以下の項目の設定を入力するだけです。
- 通貨ペア
- 運用予定額
- 仕掛けるレンジ幅
- 仕掛ける本数
- 1本当たりの通貨数
- ねらう利益幅
- ストップロス設定
以上の設定を入力して「計算スタート」をクリックします。すると、運用試算表の算出項目の中のロスカットに、入力した内容で運用した場合にロスカットされる為替価格が表示されます。
そして、もう一つ気になるのが、どのように設定すれば確実に利益が取れるのかということです。トラリピで運用する時に一番気にしているのは、やはりどのくらい儲かるのかというのが本音です。また、損することが無いのかという心配もあります。
運用試算表ではロスカットの他、含み損の金額や証拠金維持率なども表示されますが、どの設定でいくらの利益が出せるのかということは分かりません。それを調べるためには、「バックテスト」をして確認するしかありません。
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トラリピで運用する豪ドル/円のバックテストの方法
バックテストというのは、設定予定の運用方法を過去の定められた期間に充当させることで、リスクやリターンを検証することです。トラリピにはバックテストのツールが無いため、インヴァスト証券(トライオートFX)が提供する「仕掛けシミュレーター」というツールを利用します。仕掛けシミュレーターを利用すると、過去12ヶ月のデータから損益の数値を割出すことができます。このツールはインヴァスト証券の口座を開設していなくても利用できます。
今回は、豪ドル/円の買いポジションにおける以下の設定でバックテストをしてみます。
- レンジ幅:70円~85円
- 通貨量:1,000通貨
- トラップ本数:16本
- 利益幅:1,000円
始めに仕掛けシミュレーターの画面を開き、以下の手順で進めます。
1.『通貨ペアを選びましょう』という表示(ドロップダウンリスト、全17種類)からバックテストをしたい通貨ペアを選択し、「作成する」をクリックします。すると、設定ウィンドが開きます。
なお、ページの中央に値動きのチャートが表示されます。チャートは1分足から日足、週足まで選択することができ、2005年からの値動きを見ることができます。
2.仕掛けベースを選択します。ウィンドの右上にある「追尾」、「価格指定」、「カスタム」の仕掛けベースの中から選択します。トラリピのバックテストの場合はカスタムをクリックします。
3.以下の各種項目に入力します。
①購入方向:買いと売りのラジオボタンのどちらかにチェックを入れます。
②想定レンジ幅:トラップを仕掛けるレンジ幅をトラリピにおける運用設定と同じ設定で入力します。
③取引額:1本のポジションにおける保有通貨数を入力します(単位K、1,000通貨)。
④スタート価格:買いの場合は想定レンジの下限、売りの場合は上限の価格を入力します。
⑤AP数:APとはオートパイロット注文の略のことであり、トラリピでいうトラップ注文と同じものです。レンジ内に仕掛けるトラップの本数を入力します。
⑥カウンター値:利益確定による決済のあったレートからどれだけ戻ったら、2本目の発注をするのかという設定です。40銭や80銭、100銭などと入力します。なお、買い注文の場合は常に為替が下がった時に注文が成立するため、カウンター値は-(マイナス)を付けて入力します。
⑦フォロー値:利益確定による決済のあったレートからどれだけ進んだら、2本目の発注をするのかという設定です。トラリピのような自動売買ツールの場合はカウンター値のみの入力で構いません。
⑧利確幅:ポジションにどれだけの利益が出たら決済させるのかという値幅のことです。40銭や80銭、100銭などと入力します。
ちなみに、トラリピのように一定のレンジ幅の中に固定のトラップを仕掛ける場合は、利確幅とカウンター値を同じ値にすると、常に同じ価格での新規買い(売り)と利益確定の決済を繰り返します。
例えば、カウンター値を-100pipsに設定し、利確幅も100pipsします。すると、70円で買って71円で売り、また70円まで為替が戻ったら買って71円になったら売る、ということを繰り返します。
4.損切り:トラリピでは損切りを設定すると全ポジションに適用されますが、トライオートFXではトラップ1本ごとの適用になります。今回はバックテストなので、「指定なし」のラジオボタンにチェックを入れます。
5.以上で設定は終了です。最後に、「作成する」をクリックします。入力したデータにおける各ポジションの一覧表が表示されるので、「一括登録」をクリックします。画面が最初の仕掛けシミュレーターのページに戻ります。
6.画面に仕掛けた内容が表示されています。バックテストの期間(1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月・12ヶ月)の中から最長の12ヶ月に設定し、「バックテスト開始」をクリックします。ダウンロードが始まり、しばらくすると上記の設定におけるバックテストの結果として以下の数値が表示されました。
・実現損益(決済損益+スワップポイント):34,442円
・決済損益:29,000円
・スワップポイント:5,442円
・資金目安:1,200,000円
・実績最大ポジション額:15,000円
・収益率:2.87%
・最大累積損失:0円
・AP数:16本
・評価損益:-58,832円
・最大評価損失:-95,803円
・バックテスト証拠金:1,200,000円
・最大ポジション額:16,000円
・勝率:100.00%
・最大ドローダウン:0円
・必要証拠金:48,000円
最大ドローダウン(DD)とは、資産が最大になった時点から下落した場合の最大の下落幅のことです。例えば、資産が100万円だった時に、FX取引で10万円の損失が生じたことで結果的に90万円になった場合、最大ドローダウンは10%になります。
トラリピの豪ドル/円のバックテストの検証
バックテストの結果を見て、利益の取れる設定であったのかを検証します。実現損益や決済損益も重要ですが、最大評価損失がいくらであったのかを確認することも大切です。
なお、バックテストは比較対照することが肝心なため、設定を変えて検証することも忘れずに行います。そこで、同じく豪ドル/円の買いポジションで、以下の設定に変えてバックテストをしてみます。
- レンジ幅:70円~86円
- 通貨量:1,000通貨
- トラップ本数:21本
- 利益幅:800円
結果は以下になりました。
- 実現損益(決済損益+スワップポイント):76,693円
- 決済損益:64,200円
- スワップポイント:12,493円
- 資金目安:2,775,000円
- 実績最大ポジション額:34,000円
- 収益率:2.76%
- 最大累積損失:0円
- AP数:37本
- 評価損益:-138,005円
- 最大評価損失:-222,323円
- バックテスト証拠金:2,775,000円
- 最大ポジション額:37,000円
- 勝率:100.00%
- 最大ドローダウン:0円
- 必要証拠金:111,000円
ちなみに、バックテストはあくまでも過去のデータを参照するものであるため、将来の利益を保証するものでは決してありません。
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