トラリピとナンピン

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トラリピはナンピンで運用するツール

投資というのは、将来の値動きを予測するものです。予測である以上、当たるか外れるかは誰にも分からず、分かっているのは利益と損失が裏表の関係にあるということです。

トラリピで運用するFXも投資であるため、大儲けする人がいれば、大負けする人もいます。また、トラリピは単にFXの取引を自動的に行うツールであって、AIのように最適な投資環境を提供するものではありません。ただ、トラリピが運用するFXは投資対象が国の通貨になっています。通貨というのは基本的に、国内外で移動することはあっても無くなることはありません。そのため、通貨の価値に変動はあっても、為替が半永久的に上昇、または下降することはありません。例えば、為替が一定の価格まで上昇するとそこから必ず下落し、逆に下落を続けても一定の価格に来ると反発します。

中でも、為替の値動きが狭い価格の範囲で波のように上下動を繰返すことを「レンジ相場」と言います。通貨の中には約80%がレンジ相場を形成しているものがいくつかあります。レンジ相場の場合は最高値と最安値が想定できるため、為替がどのように動いたとしても損失額がある程度見込めます。従って、通常の投資とは違った方法を採ることができます。その代表的な例が「ナンピン」です。

ナンピンは漢字で「難平」と書きますが、「難」は損失を意味し、「平」は損失を平らに平均化することを表しています。ナンピンは価格が続落するような相場だと含み損が膨張し、全資産を失う危険があることから、絶対にしてはいけない手法と言われています。

ところが、トラリピはこのナンピンと同様なことを行って利益を狙うツールになっています。

トラリピにおけるナンピンの方法

ナンピンの手法は、保有している買いポジションの価格が下落して含み損が拡大した場合に、さらに同じ量の通貨を追加購入することで含み損を均すことです。

例えば、100円の商品を100個持っていた時に(購入金額10,000円)、価格が5円下がって95円になると、500円(5円×100個)の含み損が出ます。ここで、95円の商品を100個追加購入すると(購入金額9,500円)、含み損の500円に変わりはありませんが、商品の平均単価が97.5円に下がります(19,500円÷200個)。

そして、100円×100個の場合は価格が100円に戻らないと(5円アップ)、元に戻りません。一方、100円×100個+95円×100個の場合は、価格が97.5円になった時に(2.5円アップ)、資金の元が取れることになります。このように、含み損を取り返しやすくするのがナンピンのシステムです。

実は、リピート系のFX自動売買ツールであるトラリピは、ナンピンと同様な手法が採られています。トラリピでは以下の3種類の注文を出します。

  1. イフダン(IFD)注文
    買い注文と売り注文を同時に出します。例えば、豪ドル/円を75円の時に買い、76円になったら1円の利益を取って売る、という注文をします。
  2. リピート注文
    イフダン注文が決済されたら、同じ注文をします。例えば、豪ドル/円を75円の時に買って76円で売れた後、為替がまた75円に戻ったら買うという注文をします。要するに、同じ注文を繰返すということです。
  3. トラップ注文
    イフダン注文を複数出します。例えば、豪ドル/円を75円で買って76円で売るという注文の他に、74円で買って75円で売る、73円で買って74円で売る、という注文を同時に出します。

上記で分かるように、トラリピというのは為替が安くなった時に買い、高くなったら売って利益を取るという注文を繰返すツールになっています。従って、為替が下がり続けると、買いポジションがどんどん増えていきます。例えば、為替が75円の時に1,000通貨を買い、74円に下がっても1,000通貨を買い、73円に下がっても1,000通貨を買い続けます。つまり、ナンピンと同じようなことをしているということです。なお、買い増しによって平均単価は低くなっても含み損自体は増えていくため、ロスカットにならないように、口座に資金を入金しておく必要があります。

上記の場合では以下の金額が必要になります(レバレッジ25倍)。

  • 75円のポジション:75円×1,000通貨×1/25+含み損2,000円(2円×1,000通貨)=5,000円
  • 74円のポジション:74円×1,000通貨×1/25+含み損1,000円(1円×1,000通貨)=3,960円
  • 73円のポジション:73円×1,000通貨×1/25=2,920円

合計11,880円


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トラリピにおけるナンピンが成立する理由

トラリピにおいてナンピンが成立するのは、為替が最安値と最高値の間で上下するレンジ相場だからです。ロスカットに遭わないだけの資金を用意しさえすれば、為替が元に戻った時に確実に利益が取れるようになります。各ポジションが抱えることになる含み損を算出し、証拠金維持率がロスカットの数値を下回らないように資金を入金しておきます。

例えば、豪ドル/円の過去10年の最安値が70円だとすると、70円まで下がった時の含み損を計算して必要な資金を入金しておけば、ロスカットを防げます。ちなみに、ロスカットは以下の式で表せます。

  • ロスカット=(口座残高±含み損益)÷必要証拠金×100
  • ロスカット=証拠金維持率

必要証拠金というのは、通貨を購入するのに必要な資金です(通貨価格×通貨数÷1/25)。

仮に、為替が70円まで下がった時にロスカットに耐えられれば、為替が71円に上がった時に70円のポジションが1円の利益を取って決済できます。当然、その時点で71円のポジションの含み損が消滅します。同様に、為替が72円に上昇すれば71円のポジションの利益が確定し、72円のポジションの含み損が消えます。同時に、証拠金維持率の数値が改善されることで、口座における必要な残高も減少します。

トラリピにおけるナンピンのリスク

投資におけるナンピンが禁じ手とされているのは、リスクが高いからです。FX投資において80%がレンジ相場であったとしても、残りの20%は為替が一方向に伸びて行くトレンド相場になります。為替が暴落し続ける時にナンピンで対応していると、資金が追い付かず、ロスカットによる資産の消滅ということが起こり得ます。

ただし、長いスパンで見ると暴落、急騰があったとしても、為替は元に戻る傾向にあります。従って、長い期間持ちこたえられれば損失を防げますが、実際には短期的な資金繰りに耐え切れません。従って、想定したレンジを下回った場合は冷静な目で判断する必要が出ます。例えば、豪ドル/円で言えば、過去10年間は70円を下回っていませんが、2008年には55円台まで暴落しています。70円を下回った時に、資金をつぎ込むのか、含み損の多いポジションを損切りするのか、ロスカットを受け入れるのかを判断しなければなりません。つまり、ナンピンには適切なリスクマネジメントが求められます。

トラリピが効果を発揮するのはレンジ相場の時です。レンジ相場で推移している時は、ただ業績を見ているだけで済みますが、トレンド相場になった時はトラリピの機能では対応できません。従って、トラリピの運用では、想定外の事象が起きた時の対応を事前に決めておくことが肝心であり、セルフコントロールが最も重要になります。

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