トラリピと相関係数

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トラリピにおける複数通貨の運用によるリスクヘッジ

投資の対象商品には株式や不動産、FX、先物商品など様々なものがあります。ただ、全ての投資において必ず付きまとうのが損失のリスクです。リスクを回避することが利益を生み出す究極の方法になっています。ただ、投資商品が1つだけだと、リスクを防ぎようがありません。そこで、よく採られる方法が分散投資です。FXの自動売買ツールであるトラリピにおいてもそれは同様であり、複数の通貨ペアによる売買を行うことでリスクヘッジが図れます。

ただし、複数の通貨ペアであれば何でも良いということにはならず、却ってリスクの増大する危険性があります。そこで重要になるのが、通貨ペア間の関連性であり、その指標になるのが「相関係数」です。FXの世界では運用する通貨ぺを選択する時によく利用されています。

トラリピの取扱通貨の相関係数におけクロス円と米ドルストレートの違い

トラリピにおける売買は、「日本円で米ドルを買う」、「ユーロで英ポンドを買う」というように、必ず2国間の通貨で行われます。円とドル、ユーロとポンドといった取引における2国間の通貨のことを「通貨ペア」と呼んでいます。

2国間通貨の取引において、ドルを含まない通貨ペアのことを「クロス通貨」と言います。また、「円とポンド」、「円とユーロ」、「円と豪ドル」のように、通貨ペアの一方が日本円で、もう一方が米ドル以外の通貨になっている通貨ペアを「クロス円」と言います。一方、「米ドルとユーロ」、「米ドルと豪ドル」のように、基軸通貨である米ドルの組み合わせによる通貨ペアのことを「米ドルストレート」と言います。

実は、誤解している人が少なくありませんが、クロス円の通貨ペアで取引する場合でも、必ず基軸通貨である米ドルを介して取引がなされています。例えば、ユーロを円で買う場合、一度円を売って米ドルを買い、その米ドルを使ってユーロを買っています。

そして、クロス円と米ドルストレートでは、相関係数が異なっています。

トラリピの取扱通貨における相関係数の確認

相関係数とは、2つの変数の間の相関(連動性の割合)を示す数値です。トラリピで言うと、異なる通貨ペアの値動きがどれくらい似ているのかを表しています。相関係数は1.0から-1.0までの範囲になっており、1.0に近づくほど値動きが連動する傾向(正の相関)を示し、-1.0に近づくほど逆の値動きをする傾向(負の相関)を表します。なお、0は無相関と呼ばれ、全く関連性の無い値動きをします。

相関係数の目安は以下になっています(右側は関連性の度合い)。

  • 0.7~1.0:とても強い正の相関
  • 0.4~0.7:強い正の相関
  • 0.2~0.4:弱い正の相関
  • -0.2~0.2:相関がほとんどない
  • -0.4~-0.2:弱い負の相関
  • -0.7~-0.4:強い負の相関
  • -1.0~-0.7:とても強い負の相関

相関係数が0.7以上の通貨ペアの組み合わせは同じ値動きになりやすく、相関係数が±0.2以下の通貨ペアの組み合わせは値動きがバラバラになっています。また、相関係数が-0.7以上の通貨ペアの組み合わせは双方の値動きが逆(反比例)になります。ただ、現実にはクロス円で-0.7以上の通貨ペアは存在せず、せいぜい-0.2程度でしかありません。

主たるクロス円の通貨ペアの相関係数

  • ・米ドル/円
    ユーロ/円0.90、英ポンド/円0.81、豪ドル/円0.90、カナダドル/円0.82、NZドル/円0.77
  • ユーロ/円
    英ポンド/円0.77、豪ドル/円0.92、カナダドル/円0.85、NZドル/円0.77
  • 英ポンド/円
    豪ドル/円0.77、カナダドル/円0.69、NZドル/円0.71
  • 豪ドル/円
    カナダドル/円0.83、NZドル/円0.90
  • カナダドル/円
    NZドル/円0.65

主たる米ドルストレートの通貨ペアの相関係数

  • 米ドル/円
    ユーロ/ドル0.16、英ポンド/ドル0.35、豪ドル/ドル0.61、カナダドル/ドル0.01、NZドル/ドル0.25
  • ユーロ/ドル
    英ポンド/ドル0.20、豪ドル/ドル0.56、カナダドル/ドル-0.43、NZドル/ドル0.31
  • 英ポンド/ドル
    豪ドル/ドル0.33、カナダドル/ドル-0.44、NZドル/ドル0.31
  • 豪ドル/ドル
    カナダドル/ドル-0.29、NZドル/ドル0.73
  • カナダドル/ドル
    NZドル/ドル-0.05

クロス円に比べると、米ドルストレートは全般的に通貨ペア間の相関係数が低くなっており、連動性の少なさが分かります。

一方、クロス円で見ると、ユーロ/円と豪ドル/円の組み合わせは0.92の「とても強い正の相関」となっています。従って、2つの通貨ペアの値動きは連動することが分かります。実際に、チャートを見ると、まさしくそれを表すように並行した値動きのラインになっています。

同様に、米ドル/円とユーロ/円、米ドル/円と豪ドル/円、豪ドル/円とNZドル/円の相関係数は0.90になっており、お互いの値動きのラインはほぼ同間隔で流れています。

なお、強い負の相関係数である-1に近い数値の通貨ペアは見当たりません。

一方、マイナーな通貨ペアのメキシコペソ/円では、ユーロ/円や豪ドル/円、NZドル/円との組み合わせの相関係数が0.00になっています。従って、相関関係がほとんどないことから値動きがバラバラになっており、チャートを見ると、値動きのラインが全く関連の無い波を描いています。

トラリピにおいて相関係数で通貨ペアを選択するメリット

相関係数に基づいて、トラリピで運用する通貨ペアを複数にすることのメリットとしては、評価損益の増減のタイミングの分散によってリスクヘッジが図れることです。

強い正(負)の相関を持つ通貨ペアは同じ(逆の)値動きをするという特性を利用し、相互の通貨ペアで異なるポジションで持つことで評価損益の増減タイミングを分散できます。

つまり、以下の売買を行うとリスクヘッジが可能になります。

  • 正の相関(1に近い)にある通貨ペアの組み合わせ
    片方を買いのポジション、もう片方を売りのポジションで保有
  • 負の相関(-1に近い)にある通貨ペアの組み合わせ
    両方ともに買いのポジション、もしくは両方ともに売りのポジションを保有

なお、正の相関にある通貨ペア同士で両方買いポジション(売りポジション)を持つと、同じ値動きをすることで損益が重なるため、リスクヘッジには繋がりません。

ちなみに、トラリピのハーフ&ハーフで運用する場合は、通貨ペアを増やしたとしても同じ通貨で買いと売りが発生するため、相関係数で連動性の高い通貨ペアを選ぶことが必須です。

相関係数でトラリピの通貨ペアを選択する場合のおススメの通貨ペア

相関係数で見た場合、複数の通貨ペアでトラリピの運用をする場合に適した通貨ペアの組み合わせは以下になります。

  • ユーロ/円と豪ドル/円
  • 米ドル/円とユーロ/円
  • 米ドル/円と豪ドル/円
  • 豪ドル/円とNZドル/円

どの組み合わせも連動性が高く、ハーフ&ハーフで運用した場合でも買いと売りの組み合わせが作れます。ちなみに、トラリピの取扱通貨において売りでスワップポイントがプラスになるのはユーロ/円とユーロ/ドルだけです。スワップポイントの面からすると、片方にユーロ/円かユーロ/ドルを組み合わせるとお得感があります。

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