トラリピの仕組み

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トラリピにおける半システムトレードの仕組み

FX投資をしている人が数多くいますが、ただサラリーマン投資家にとって一番厄介なのが、売買における手間です。FXのように、相場の上下動を利用して利益を狙う投資は、常に状況に応じた売買が必要になります。ところが、サラリーマンは日中が忙しいため、相場の値動きを注視していることができません。そのため、機会損失が生じ、利益を取り損ねたり、思わぬ損失が発生したりします。そんなことを解消してくるのが「トラリピ」です。

  • 裁量トレード
    投資家が自分でチャートを分析し、買いや売りを業者に指定するのが裁量トレードです。従って、自分で取引を管理しなければなりません。
  • システムトレード
    システムトレードは第三者が提供するプログラミングに登録し、自動的に売買してもらいます。登録した後は、資金を入金するだけで、何もする必要がありません。

トラリピはこの裁量トレードとシステムトレードを兼ね備えたものと言えます。裁量の余地を残しつつ、自動売買を行える「半システムトレード」になっています。

トラリピにおける売買の仕組みの内容

トラリピの基本的な仕組みは「リピートイフダン」と「トラップ」です。

リピートイフダン

トラリピを利用する時は、「100円0銭で買い」、「100円50銭で売る」という買いと売りの注文を一緒に出します。これを「イフダン注文(IFD注文)」と言います。ただ、これだけだと一度利益が確定して取引が終了すると、改めて取引をする時は自分で注文をし直す必要があります。

この手間を省いたのが「リピートイフダン」です。つまり、いちいち注文しなくても、100円0銭の買いと100円50銭の売りを自動的に行ってくれます。つまり、相場が100円0銭に戻ると自動的に買い注文が発生し、100円50銭になると自動的に売り注文が行われます。この買いと売りの注文が何回も継続されます。

  • イフダン注文のメリット
    事前に取引したい価格を指定できるため、取引したい価格になるまで注文を待っている必要がありません。また、取引したい価格まで待ちきれずに、意図しない価格での取引で妥協するということがありません。さらに、前もって損益が計算できるため、資金計画が容易になります。投資に時間を避けないサラリーマン投資家にとって、イフダン注文は必須のツールになっています。
  • イフダン注文のデメリット
    イフダン注文は事前に売買の価格を設定するため、相場に急な変動があった場合は対応できないというデメリットを抱えています。値が一方的に上昇したり、下落したりした場合、取引が成立しないばかりか、膨大な損失を被る危険性があります。

そのための対策として、イフダン注文の際に損切りするポイントを予め設定しておくと、損失を限定させることができます。ただし、損切りを設定する場合は想定したレンジを大幅に超えた時点で実行されるようにしておかないと、損切りしたことが却って損を招くことがあります。

トラップ

トラリピの特徴にはもう一つ、「トラップ」があります。トラップというのは、イフダン注文を同じ値幅間隔で繰返すことです。

例えば、「100円0銭で買い・100円50銭で売り」、「100円50銭で買い・101円0銭で売り」、「101円0銭で買い・101円50銭で売り」というように、いくつもイフダン注文を繰返すのがトラップです。

FXの相場というのは波のように上下動を繰返すため(レンジ相場・ボックス相場)、リピートイフダンとトラップによって何回も利益を獲得することができます。

なお、買いと売りの注文を出す値幅の範囲のことを「レンジ」と言います。例えば、100円0銭から105円0銭の間で売買するのか、101円0銭から106円50銭の間で売買するのかを事前に設定しておかなければなりません。

ちなみに、トラリピでは「買い」のポジションではなく、逆の「売り」のポジションで取引を行うこともできます。例えば、「105円0銭で売り・104円50銭で買い戻し」、「104円50銭で売り・104円0銭で買い戻し」という取引でも全く同じように利益が取れます。

トラリピの仕組みが成り立つ為替相場

投資の世界においては、常に「絶対に儲かる」ということはあり得ません。トラリピにおいても、為替相場の値動きによって損したり儲かったりします。その為替相場の値動きを大きく分けると上昇トレンド、下降トレンド、横ばい(レンジ)の3つになります。

そして、トラリピで損するケースは、為替レートが自分が想定した方向とは逆の方向に一方的に流れて行った場合です。例えば、為替の想定レンジを100円~105円に設定し、買いのポジションを注文したとします。その場合に、為替が100円を突き抜けて99円、98円と下がり続けると(トレンド相場)、含み損が膨らんでいきます。

含み損が出た場合に採れる対応は、含み損の出ているポジションを処分(損切り)するか、値を戻すまで耐え続けるかの2通りになります。ただ、含み損の総額によっては投資家の意思に関わらず、強制ロスカットになる可能性もあります。

一方、相場が105円を抜けて上昇し続けた場合は損することはありませんが、レンジを抜けたことで取引が行われないため、利益を得るという機会の損失に繋がります。

つまり、トラリピで最適な為替相場というのは、一定のレンジの中で値が上下動するレンジ相場(ボックス相場)ということです。トラリプの仕組みが成り立つのは、FXの相場の7割がレンジ相場になっているからです。

トラリピにおけるレバレッジの仕組み

トラリピなどのFX取引には、レバレッジという仕組みが採られています。レバレッジというのは、「てこの原理」を意味しており、少ない資金で大きな取引のできることを表しています。トラリピで言えば、証拠金を担保にしてその数倍の金額の売買をすることです。例えば、10万円の証拠金で100万円分のポジションを持った場合、レバレッジは10倍となります。

レバレッジの計算方法は以下になります。

  • レバレッジ倍率=取引総代金÷必要証拠金額
  • 取引総代金:発注済み注文に必要な総代金
  • 必要証拠金額:発注済み注文に必要な証拠金

つまり、レバレッジは「取引総代金に対する必要証拠金額の割合」を表しています。

仮に、1ドル:110円の時に1万通貨のポジションを保有した場合のレバレッジは以下になります。
(110円×1万通貨)÷(110万円×4%)=25倍

なお、「4%」というのは、トラリピにおける必要証拠金比率のことであり、この証拠金比率がレバレッジの倍率を示しています。必要証拠金比率はFX業者によって異なっており、レバレッジ10倍の業者であれば、必要証拠金比率は10%になります。

ところで、レバレッジには「実質レバレッジ」と言って、「取引総代金に対する時価残高の割合」を表したものがあります。

実質レバレッジの計算方法は以下になります。
・実質レバレッジ倍率=取引総代金÷時価残高

仮に、1ドル:110円の時に1万通貨のポジションを保有した際、時価残高が50万円であった場合の実質レバレッジは以下になります。
(110円×1万通貨)÷50万円=2.2倍

当然、取引総代金や時価残高はトラリピの運用中に変動するため、実質レバレッジも変わります。例えば、ポジションが増えれば取引総代金が増加し、含み損が増えると時価残高が減少するため、実質レバレッジの倍率がアップします。

ちなみに、トラリピでは証拠金維持率が100%を割ると、強制ロスカットが実施されます。従って、実質レバレッジは3倍以内に抑えることが強制ロスカットにならないポイントと言えます。
・証拠金維持率=時価残高÷必要証拠金額×100

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