トラリピと特許
トラリピとはマネースクエアが提供する、システムトレードサービスのことです。FX取引の特徴として、為替はレンジ相場を形成しやすいという特徴があります。実際に全ての時間の内、レンジ相場を形成している時間は約7割を占めています。このため、一定レンジの中でうまく売り買いを繰り返せば、利益を何度も積み重ねていける可能性があります。しかしながら、レンジの中のいいタイミングで売り注文、買い注文を出すためにはある程度チャートを見続けておく必要があります。普段働いていらっしゃる方や子育てで忙しい育児世代の場合、チャートを見続けることは現実的に不可能です。そこで役に立つのがトラリピなどのシステムトレードです。システムトレードではあらかじめ選択した条件にしたがったトレードが行われるようになっています。システムトレードの一つであるトラリピでは、イフダン、リピート、トラップの3つの要素が集約されたシステムトレードとなっています。個々のシステムに関してマネースクエアは特許を取得していて、その技術を終結させたものがトラリピということです。ここからはトラリピに関連する特許技術を紹介していきます。
トラップ
トラップはトラリピの3つの要素のうちの一つです。トラップとは、一定の値幅で新規注文が繰り返し入るように注文を仕込んでおくシステムのことをいいます。これによって、レンジ相場の中でも細かい値動きに対応できるようになり、効率的に利益を積み重ねることが可能となります。
リピートイフダン
リピートイフダンはトラリピの3つの要素の中のリピートとイフダンを組み合わせた技術のことを指します。まず、イフダンとは、ある通貨ペアに関して、このレートで注文が入った場合に、ここで決済を行うという指示をあらかじめ設定しておき、それに従ってトレードが自動で行われるシステムです。つまり、指値注文に決済のタイミングまで同時に指定することができるシステムトレードのことを指します。また、リピートとは、イフダンを何度も繰り返すことをいいます。レンジ相場の場合は何度も同じレートを行き来します。あるレートに到達すると新規注文が入るようにして、その後レートが変動して一定の含み益に達すると決済注文が入るということを繰り返すことによって、レンジ相場で何度も利益を生み出すことが可能となります。
トラップ、リピート、イフダンを統合したものがトラリピ
ここまで紹介してきた、トラップ、リピート、イフダンを統合して、一つのシステムトレードとしたものがトラリピです。つまり、レンジ内に一定の値幅で新規注文をばらまいておいて、新規注文が通った場合には、一定の利益(値幅)が取れた時点で決済注文が入るようにしておき、また新規注文が入る価格帯に入った時に注文が入るようになっています。レンジ内で安い時は買い、高い時は売るという注文が繰り返されるのです。これによって、レンジ相場の時は延々とこのトラリピの注文が繰り返され、利益を積み重ねることができるのです。
リピートイフダンの欠点
トラリピの要素に含まれる、リピートイフダンは一見延々と利益をもたらしてくれそうですが、欠点があります。それはレンジ相場からチャートが抜けてしまった場合での対応です。もしレンジブレーク後に利益とは逆方向に相場が進んでしまった場合に延々と損失が膨らんでいってしまうことになります。それだけでなくブレーク後に利益が膨らむ方向に相場が進んだ場合にも最大限の利益を得ることができません。例えば、買いの新規注文が入るリピートイフダンを行っていた場合、つまり買いポジションを持つ設定にしていた場合には、設定したレンジの上限に達した時点で全てのポジションが決済された状態になります。もし、レンジブレークして大幅な上昇があった場合にも、その大きな値幅を取ることはできません。売りポジションを持つリピートイフダンの取引でも同様のことが言えます。つまり、リピートイフダンをしていて、レンジブレークの際に得をする可能性はないのです。もし、このリピートイフダンにトラップ機能を追加したトラリピでも同様のことが言えます。しかし、トラリピにはそのようなレンジブレークの相場でも損失を最小限に食い止め、利益を最大限に生み出す機能が付加されています。
決済トレール
決済トレールはトラリピで自動売買をしている際に、レンジ相場から利益があがる方向にレンジブレークした際に、最大限に利益を生み出すために付加されている機能です。この決済トレールは、トラップ、ループイフダン同様にマネースクエアの特許となっていて、マネースクエアの取引でしか取り入れられていないシステムです。この決済トレール機能を有効にしておくと、イフダンで定められた決済価格が値動きによって、ずれ込むようになります。例えば、トラリピで買いポジションを持つように設定していたとします。買いポジションを持っていて、レンジを上抜けしていった場合、決済する予定だったレートまで戻ってくるとそのポジションは決済されます。しかし、決済予定だったレートまで戻ってこずに上値を更新していくような展開になった場合、決済注文は入ることなくずっとポジションを持った状態が続くことになります。決済注文が自動で行われるためにはレンジ上限までレートが戻ってくる必要があります。しかもその場合そのレンジの上限で決済注文が入るので、ブレーク後上値を伸ばした状態で決済するよりもだいぶ損した気持ちになります。しかし、トラリピについている決済トレールをあらかじめ有効にしておくと、0.2円高値を更新していくごとに、決済価格も自動的に0.2円高く設定し直される仕組みになっています。よって、レンジブレークから高値を大幅に更新して、もう高値更新ができないところまで到達した後にちょっと調整で下落したところで決済できるようになるのです。これによって、レンジブレークの勢いで急騰した分の値幅も取ることができるわけです。これがトラリピではレンジ相場だけでなくレンジブレークした後の相場でも効率的に利益を積み重ねることができる理由です。また。レンジでも右肩上がりや右肩下がりのレンジを形成することがありますが、こういった場合にも決済トレールが有効で、例えば買いポジションを持つトラリピをしていて、右肩上がりのレンジ相場を形成している場合、自分が当初設定したレンジ幅をいずれ超えることになります。その時に、決済トレールを有効にしておくと、レンジ上限近辺でも効率的に利益を積み重ねることができます。
ロスカット
トラリピでは全ポジション共通のロスカット値を設定することができます。これはトラリピによる損失を最小限に食い止める効果が期待できます。例えば、買いポジションを持つトラリピが行われていて、レンジの下限を下抜けしてしまったとしましょう。ロスカットが設定されていなければレンジブレークで勢いよく下落してしまい、大きな損失が出てしまう可能性があります。しかも、このような場合は多くの逆ポジションを抱えてしまっている場合が多いので、大きな損失がより出やすいです。そこでこのロスカット機能を使って損失を最小限に食い止めるリスク管理をしておくことが理想です。ロスカット値にはレンジブレーク直後のレートを入れておくとリスクを最小限に食い止めることができます。ただ、あまりに近すぎると一時的な売り買いの勢いでロスカットが作動してしまって、再びレンジ相場に戻っていくということもあるので、ちょっとだけレンジブレークと離れたレートにしておくことをおすすめします。
まとめ
このようにトラリピには、システムトレード本来のレンジ相場に強い性質と、レンジ相場以外の時にも利益を出すことができる性質が共存しています。レンジ幅やロスカットをうまく設定できれば長い期間、自動で利益を積み重ねることができる可能性があるので、ぜひトラリピを試してみて下さい。
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