トラリピの「すくみ」とは
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トラリピにおける運用手法のすくみとは
トラリピなどのFXのリピート系投資で使われる手法に、「すくみ」があります。すくみは簡単に言うと、複数の通貨ペアを同時に注文することです。
すくみには3すくみ・4すくみ・5すくみなどがあり、いくつもの通貨を組み合わせることでリスクを分散させます。仮に、米ドル・ユーロ・日本円を利用した3すくみの例としては、以下のようなポジションがあります。
1.日本円で米ドルを購入
2.米ドルでユーロを購入
3.ユーロで日本円を購入
すくみを行うのは以下のような考え方が根底にあるからです。
『世界の通貨の価値の総量は不変である。通貨の流通では価値が世界という枠の中で移動しているにしか過ぎない』
例えば、日本円で米ドルを購入した場合は、通貨の価値が日本円から米ドルに移動したと捉えています。つまり、日本とアメリカの間で通貨の価値が移動しただけあって、地球全体にある通貨の価値の総量は変わっていないことになります。
トラリピで3すくみを行った場合
例えば、地球上に日本とアメリカとユーロという3つの国しかないと仮定します。そして、それぞれの国の通貨の価値の総量は100であり、全世界では通貨の価値の総量が300だとします。
この状態の時に、何らかの理由で日本円の価値を40消失したとします。しかし、世界の通貨価値の総量が変わるわけではないため、日本円の価値が100から60に減っただけで、減った分の40はアメリカとユーロの価値が増えます。アメリカとユーロに変わりがなければ、それぞれの価値が120になります。米ドルやユーロが売られた時も変わりません。
つまり、シーソーのようにどこかの国の通貨の価値が低くなれば、どこかの国の価値が高くなります。
1.日本円の通貨の価値が40%下落:米ドルとユーロの通貨の価値が120%に上昇。
2.米ドルの通貨の価値が40%下落:日本円とユーロの通貨の価値が120%に上昇。
3.日本円と米ドルの通貨の価値が40%下落:ユーロの通貨の価値が180%に上昇。
このように、通貨の価値の絶対量が買わらないため、どれかの価値が相対的に低下すれば、どれかの価値が相対的に高まる、という理論が3すくみを成り立たせています。
3すくみを勝負の観点で見ると、ジャンケンみたいなものです。相手が何を出しても、こちらはグー・チョキ・パーの3つを出します。相手がグーであれば、こちらのグーはあいこ、チョキは負け、パーは勝ちです。絶対に負けることはありません。
トラリピの実際の運用においても、3すくみでは勝ち、負け、あいこが凡そ3分の1ずつになっています。
トラリピにおけるすくみは両建てと同じ
なお、前記の例ではトラリピの3すくみのポジションの持ち方が以下になっています。
1.日本円で米ドルを購入
2.米ドルでユーロを購入
3.ユーロで日本円を購入
一見複雑になっていますが、ポジションの順番を変えると以下のようになります。
1.米ドル買い:米ドル売り
2.ユーロ買い:ユーロ売り
3.日本円買い:日本円売り
つまり、単純な式に変換すれば、3つの通貨でそれぞれ買いと売りの両建てをしているということです。なお、両建てだと損失が出ない代わりに利益も出ないため、意味が無いように思えます。
ところが、トラリピでは利益が取れるようになっています。それは、トラリピの自動売買では指定した価格で買い(売り)、一定の差益が取れる価格になったら売る(買い戻す)ことを繰返しているからです。要するに、利益を取れているポジションのみの確定を繰り返し、損失を出しているポジションは確定させないからです。
そして、FX相場の特徴と言えるのが、価格が一定の値幅の中で上下動を繰り返すレンジ相場であり、現在は損失が出ていたとしても、やがて値が戻してゼロに近づきます。
なお、3すくみはレンジ相場での値動きの流れの中で利益を取る手法であるため、短期での利益を狙うことには適しません。トラリピのように年単位での長期取引を前提にしている手法と言えます。
3すくみにおける運用の特徴としては以下が挙げられます。
1.1種類の通貨ペアの両建てよりも高い安定性
1つの通貨ペアを両建てで運用した場合は、買いと売りのポジションが1つの波に入っているため、損益の関係が常に不安定な状態にあります。しかし、すくみの場合は勝ち、負け、あいこがそれぞれ1/3ずつになるため、損益の動きがゆるやかになり、安定感が高くなっています。
2.上昇時、下落時での利益の獲得
買いと売りの両方のポジションを持つ両建て運用のため、当然ですが相場がどちらの方向に動いても利益が出ます。
トラリピですくみ運用するメリット
トラリプにおいてすくみで運用すると、以下のメリットを得られます。
1.資金効率のアップ
2.自動売買による手間の削減
3.レンジ幅の設定が可能
1.資金効率のアップ
3つの通貨で運用した場合、本来であれば1つの通貨での取引の3倍の取引証拠金が必要になります。ところが、両建て(すくみ)の場合はトラリピの規定によって、どれか一番多い取引量の通貨分の取引証拠金を用意すれば済みます。
つまり、3すくみの場合は1通貨分の取引証拠金で3通貨分の取引ができるため、それだけ資金効率がアップします。
2.自動売買による手間の削減
3すくみによる運用はどのFX業者でも可能ですが、複数の通貨での運用を手動でやっていたのでは手間がかかって大変です。その点、自動売買のできるトラリピの方が簡単に設定できます。また、トラリピの場合は4すくみまで組むことができます。
3.レンジ幅の設定が可能
3すくみはレンジ相場で成立する手法であり、レンジ相場だからこそ利益を取り、損失を抑えることができます。
また、レンジ相場であっても、価格の波のうねりが大きいと効果が薄れます。その点、トラリピは任意の価格で設定が可能な上、決済価格も自由に組むことができます。つまり、レンジ幅を指定できるトラリピなら、含み損の最大値を自分でコントロールできます。自分好みに設定できるということが3すくみの成功に繋がります。
さらに、トラリピには他の業者には無いトラリピだけが持つ機能として「トレール機能」があります。トレール機能を利用すると、トレンド相場でも利益の極大化を狙うことができます。
トラリピですくみ運用するデメリット
すくみ運用によるデメリットとしては、以下のことが挙げられます。
1.スワップポイントが常にマイナス
2.含み損が常に存在
1.スワップポイントが常にマイナス
スワップポイントというのは、2国間の金利差から得られる利益のことです。金利の高い国と低い国があることでスワップポイントが発生します。すくみの場合は両建て同様、必ずスワップポイントがマイナスになります。
以下は、実際のスワップポイントの例です。
・米ドル/日本円:買い80円、売り-88円
・ユーロ/ドル:買い-125円、売り90円
・ユーロ/日本円:買い-14円、売り6円
例えば、米ドル/日本円の買い、ユーロ/ドルの買い、ユーロ/日本円の売りによる3すくみだと、80円、-125円、6円で合計で-39円になります。従って、ポジションを持っているだけでマイナスが増えていきます。
2.含み損が常に存在
3すくみである以上、常に含み損が存在する形になることは否めません。ただ、トラリピの運用自体が、含み損を前提にしている投資と言えます。含み損が出るような値動きだから買いのタイミングが発生し、値が戻すことで利益が生じます。これが、トラリピにおける利益取りのベースになっています。
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